緊急事態宣言中のトレーニングについて

2021/04/26

東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に緊急事態宣言を発令されました。

この1年少々、新型コロナウィルス感染症に関しましては、政治家、役所、医師会、メディア、専門家といわれるコメンテーターなど、千差万別の知見や見解が発せられてきました。
大別すると、「コロナ怖い派」と「単なる風邪派」の分断を生み、人類vsウィルスの対決の構図は完全に見失われているように感じます。
・交通事故で亡くなってもPCR陽性なら「コロナ死者」にカウントされてしまう
・そもそもPCR陽性者数=感染者数ではない
・マスクの種類別による感染防止効果(世界一のスーパーコンピュータ富岳の仕事??)
・クラスター・3密・濃厚接触の用語の定義
・死者や重傷者数が重要なのか?それとも感染者数が重要なのか?

実に様々な論点が生まれ、未知の新型コロナウィルスを正確に解釈しようとする活発な議論が展開されました。しかし、昨今のテレビ等を見ると、もうそういう細かいことは抜きにして、とにかく「感染者数」と「変異株は怖い」一色になった印象です。
そして話題の論点は、誰が得して、誰が損しているか。
・1日6万円もらえる飲食店vsその他のダメージを受けている業種
・6万円バブルの小料理屋vs全然足りない大規模店
・コロナに関わりたくない医師会vsその医師会長に「気が緩んでる!!」と叱られる国民

情報の切取りと反復の恐ろしさを痛感しています。もう正確なエビデンスや情報には関心が薄くなり、なんとなくテレビから聞こえてくるのは、シンプルな数字=感染者数と変異株の比率だけな気がします。

フレーミング効果という言葉をご存知でしょうか?
用語集によると、「フレーミング効果(Framing Effect)とは、同じ意味を持つ情報であっても、焦点の当て方によって、人はまったく別の意思決定を行うという認知バイアスのことである。 情報のどこにフレームを当てはめるかによって、意思決定が異なることからフレーミング効果と呼ばれる」
例えば、
1, 4月22日の東京都のコロナ感染者数は861名でした。
2, 4月22日は、東京都民13,960,236人のうち、13,959,375人からは新型コロナ感染は見つかりませんでした。

全く同じ事実を表現しているのですが、1だと物凄い数が感染している印象を持つ一方、2だと、ほとんどの都民が感染していない感じもします。

「昨日の東京都の重傷者数は48名です。残りの13,960,188人は感染してないか、感染してても無症状か軽症ですが、もう重症者だらけで、医療は限界です!!」と医師会長が会見で発言したら、東京都民はどのような印象を持つのでしょうか?

私自身は、決して新型コロナウィルスを軽く見ているわけでもないし、大切な大切な子供たちをお預かりする仕事の責任者をさせて頂いているので、最大限の感染対策を実施することに変わりはありません。
しかしながら、同時に、フレーミング効果を駆使したメディアの煽動はちょっと常軌を逸しているとも感じています。そしてその雰囲気で作られた世論(=選挙の票)に迎合し続ける政治家(被選挙民)のバランス感覚にも大いに疑問を持ってしまいます。

数字はそのものの数字だけを出して、「最多!!」とか「未曾有の!!」とかの修飾語で数字の印象付けをするのではなく、様々な他の数字を相対的、俯瞰的に見て、大局を見極めることが非常に大切なのではないかと感じています。
日本国全体コロナの累計死者数 9,814人
大森 海苔のふるさと館 年間入場者数 10万人(1年で10倍以上)
日本国全体コロナ累計感染者数553,189人
KinKi Kidsファンクラブ登録数:585,000人 (嵐は300万人)
コロナ感染者数も累計死者数も決して「少ない」とは言いません。しかし、もう日本国内にまん延し、日常生活のそこら中にはびこっているような数字ではないように感じます。
(大森海苔のふるさと館に1年以内に行った人にも、Kinki Kidsのファンクラブの人にも未だかつて出会ったことがありませんし、ウヨウヨ街中を歩いている印象もありません)

メディアや政治家や専門家と言われている人たちと、私たち一般市民では、感じるバランス感覚が著しく違うのかもしれませんが、私たちレアルスクールのバランス感覚においては、この様々な数字が示す現実社会が、東京ディズニーリゾートを閉鎖し、公園の遊具をグルグル巻きにし、部活動を制限し、入学式や卒業式、遠足や運動会を子供たちから奪うほどの「緊急事態」なのか、疑問を抱いています。
子供たちの時間は戻って来ません。年長さんは今年だけだし、6年生も中学3年も今年だけです。どうしてもその人生の経験という替え難き重さと「今起きている真実」のバランスを考慮した時、レアルマドリードスクールのトレーニングを停止し、子供たちが元気に動き回り、汗をかき、心がリフレッシュする「機会」を奪うという選択肢にはどうしても至りません。

3密を脇役に追いやった今回の主役の「人流を減らす」というコンセプトを漠然と受け入れると、もう、おうちに引きこもる以外の方法論しか見つかりません。サッカーは屋外スポーツで、活動中の感染リスクは限りなくゼロだという見解を厚生労働省もスポーツ庁も示しておりますが、グランドとの往復の移動において「人流」が発生します。そのコンセプトを守るかどうかに関しましては、最終的に保護者の皆様のご判断にお任せするしかありませんが、
『レアルマドリードスクールは、東京都を含む全校に関して、感染予防に最大限配慮しながら、トレーニングは開催し続けます。』
自前グランドの東京晴海校ならびに東京都以外のスクールのグランドは閉鎖しない旨の回答をすでに得ておりますため、トレーニングスケジュールに変更は御座いません。

私たちはサッカーを楽しめる環境は整えます。皆様には、出席と欠席の選択肢が御座いますので、最終的なご判断は何卒お願い致します。
毎回書いておりますが、最大の感染予防は間違いなく「自己免疫力」です。規則正しい生活、栄養の取れる食事、十分な睡眠、そして、適度な運動が極めて重要です。スクール生のみんなはゲームや動画ばかり観てないで、しっかり勉強して、身体を動かしてくださいね。

それでは何かご不明な点がございましたらお気軽にスクールLineでお知らせ下さい。
最後までお読み頂きありがとう御座いました。

レアル・マドリード・ファンデ―ション・フットボールスクールJAPAN
オーナー兼代表 増田稿平

← 一覧へ戻る