【重要】5月7日以降の練習再開の基本方針

2020/04/26

こんにちは。代表の増田です。昨日お知らせする予定が1日延期になってしまいました。
申し訳ありません。コーチ、スタッフと本当に色々議論を重ねておりました。
今回も少々長いですが、10分ぐらいですので、ゆっくり読んで頂けると嬉しいです。
できれば2回読み返して頂けるとなお良いかと思います。そしてどうか、スクール生のお子様と話合ってみて下さい。子供の感性というのは本当に大切です。

5月6日まで頑張るぞ!!という期限付きでストイックに頑張っている中で、8割おじさんこと西浦教授より、「1年間はこのような状況がつづく」との見解があっさりと明示されました。
5月6日までだから家にいよう!!と信じていた人の落胆は計り知れませんが、このウィルスの特性を学べば学ぶほど、長期的な戦略に基づいて今の戦術を実行していく必要性を感じます。
昔のように自由に飛行機で飛び回れるまでには2年ぐらいかかると個人的には感じています。東京オリンピックは???
今回の判断は、この長期的な視点に基づき、毎月毎月右往左往するような対処的解決策ではなく、中長期的基本方針を示すものです。

さて、早速結論ですが、
『5月7日より、全スクールの練習を再開致します』
※もちろんグランドが使用できることが前提です。

これを読まれた方の中には、
「この社会の空気読めないの!!?」
「休業要請出てるでしょ!!」
「Stay Homeって有名人もみんな言ってるでしょ!!」
「みんな我慢しているのに自分勝手な!!」
「うちの子が感染したらどうするの?」
などなどのご意見を持たれる方も多いかと思います。
他のクラブ、スクールなどの実態を聴いても、近所の人から叱られた、とか警察に通報されたなど、ほぼ犯罪者のような扱いを受けているとのことです。
「うちの子がそれで差別されたらどうするの?」
というご心配も持たれることと存じます。

ではなぜ、その恐ろしいまでのヒステリックな逆風の中でも再開しようと考えたかを順にご説明したいと思います。
1、そもそもサッカースクールは休業要請「対象外」である。(正式に自治体に確認し、明確に休業要請はしていないとの言葉を頂きました)
2、グランドは屋外もしくは巨大なドームであり、3密の定義を明確に回避できる。
3、子供たちの身体的、精神的な安定は免疫力を維持し、発症を避ける重要な防衛策である。
4、通学の仕方や練習見学、家庭環境やトレーニング内容に一定のルールを設け、政府が設定するリスクを徹底的に排除できる。
5、検温、手洗消毒、せきエチケット、グランド内以外のマスク着用などの他人への感染を防止するモラルの教育を子供たちに伝えたい。
6、 不遇な世界の子供たちへの寄付やコーチ・スタッフの生活を守る。

では順に少しだけ詳しくご説明致します。

<1について> 休業対象外
ちまたでは休業要請に従わないパチンコ店の営業継続→名前の公表→逆に集客増などというニュースが盛んに出ております。
「命令ではなく要請なので」「法的根拠がないので」などの議論がなされておりますが、そもそもサッカースクールは明確にその休業要請の対象から外れております。
HPにも掲載されておりますし、念のため電話で色々問合せを致しましたが、政府、自治体当局の厳格な休業対象の区分審査によって、サッカースクールは休業しなくても良いという決定がなされております。
ここは非常に多くの方が誤解をされているかと存じます。ちなみに私もしっかり調べるまで休業要請されているのかと思っていました。。。

<2について> 3密
昨今、より簡単なスローガンである“Stay Home”に押され、めっきり影が薄くなった感がある3密です。
当初は、クラスター対策班なる精鋭集団がNHK特集などにも出演して大々的にプロパガンダしておりましたが、世界のセレブや星野源さん、安倍総理のご自宅動画が出たころからいつのまにかStay Homeに主役を譲り、「不要不急の外出する際には3密を」という条件付きの脇役に配置転換されている印象です。
感染拡大と経済活動の両立を目指したクラスター対策はすでに破綻し、経済を犠牲にしたStay Homeに完全に変わったのでしょうか???
混乱するので、もう少しスローガン同士の関係を明確に語ってもらいたいものです。
3密派は「狭い室内あかんで~。外ならええで!!」
StayHome派は「狭くても室内ならええで~外出たらあかん!!」
さて、悪いのは何でしょうか???国語の問題だとしたら難しすぎます。。

下に厚生労働省のページより3密の定義を要約します。
(1)密閉・・・室内の狭いところはNG
(2)密集・・・2m以内に常に人がいる状態の場所を作らない
(3)密接・・・その2mの距離内で5分間継続して話をしない
ということです。5月7日以降のトレーニングにおいては下記の通りとします。

(1)密閉・・・宮崎都城校以外はすべて屋外(宮崎も巨大な屋内で風通しも抜群)
(2)密集・・・レアルスクールは1人のコーチに14名以内との明確な制限があるため、そもそも1カテゴリーに14名以上密集するトレーニングはありえない。
(3)密接・・・仮にボディコンタクトがあったとしても、5分間身体を触れたままのプレーなどサッカーではありえない。コーチの説明も2m以上離れ、話は1分以内に制限する。
そもそも3密は(1)(2)(3)が「重なる状態」と定義されておりますが、レアルスクールでは(1)の段階ですでに重ならない上に、(2)と(3)も回避し、ゼロ密を実現します。

<3について> 子供の免疫
恐怖の源泉を少し整理してみます。整理しないと回避策が曖昧になるからです。
ややこしいですが、ゆっくり読んでみて下さい。
A.自分が死亡するリスク
B.自分が重症化して苦しみを受けるリスク
C.自分が感染するリスク(無自覚または軽傷)
D. 他の人を感染させて死なせてしまうリスク
E. 他の人を重症化させて苦しませてしまうリスク
F. 他の人を感染させてしまうリスク(無自覚または軽傷)

実はCとFはそれほど恐れていないと思われます。
むしろ抗体が出来て、それ以後のAやBのリスクを減らせるので、若いうち、または元気なうちに感染しちゃっておいた方が良いと考える人もかなりいるようです。
Stay Homeを守らない人たちは、その潜在意識の中で、「今のうち感染」を全く恐れていない、むしろ是とする背景があるのではないでしょうか。

自分のことで言えば、AとB(重症と死亡)が怖いわけですが、実際の重症化と死者の年齢や基礎疾患状況を見ると、70歳以上(一部でBCG未接種世代とも言われる)、が大半で、その他も50代、60代の重度喫煙者や基礎疾患や治療による免疫力低下、40代以前も肥満が原因とされる記事がほとんどで、健康な(というより普通の)40代から子供に関する重傷者、死者は極めて少数と言われています。
一部で、感染者と死者を混同し、「新型コロナは若い世代にも感染するように変異した!!」とおっしゃる方もいるようですが、感染に関しては従前より若い世代が少なかったわけではありません。

ここからはリスク回避とそのための犠牲のバランス感覚になるかと思います。バランス感覚は、完全に人それぞれ一人一人違うものですので、ここはもうそれぞれの家庭環境などと照らし合わせて判断頂くしかありません。
まずは「自分」(スクール生)のA、Bのリスクですが、先述のように子供の重症化、死亡のリスク(確率)は、あくまでも数字ですが、極めて極めて低い状態が続いています。
子供がA、Bの重症化、死亡する確率というのが、日常の確率に置き換えるとどの程度なのか?一度皆さんで検証してみると良いかもしれません。
おそらくインフルエンザや交通事故で死亡する確率よりも低いかと思います。

一説には、ウィルスが直接肺に感染するのではなく、ウィルスが感染した腸内細菌が肺を破壊するという報告が出ており、その細菌(プレボテラ細菌と言います)は、こどもの体内にはほとんどないというのが、感染しても重症化しない(つまり肺を破壊しない)理由だとする説が急浮上しています。

まずスクール生の自分リスクだけを考えた場合、A.Bの極めて低い確率に対し、家に閉じ込もり、友達と会えず、体力と学力が低下し、ストレスやフラストレーションが蓄積し、親子ゲンカが絶えず、精神・心理面での成長障害も懸念されるリスク(確率)のどちらのリスクを避けるべきか?というバランス感覚になろうかと思います。

そして、次に考えることが実は一番難しい部分の「他の人に感染させてしまい、その人が重症化、死亡してしまうリスク」DとEです。
外出して、どこかで感染したウィルスを家庭内やお友達などに運んでしまわないか???
DとEのほとんどは70歳以上の高齢者と50歳以上の免疫低下者(基礎疾患など)ですので、厳密にいえば、その対象となる方々と接する可能性がない方は、Fの可能性はありますが、重症化や死亡させるリスクはほぼないということになります。
仮に対象となる方と接する可能性がある場合でも、濃厚接触の機会をなくし、家の中で近い距離で長い時間おしゃべりしなければ大丈夫ということになります。

少々長くなりましたが、このA+B+D+Eのリスクが、家に閉じこもるによって生じる子供たちが受けるダメージよりも大きければ、それはもう外に一歩も出ない方が良いことになります。
私の家は、高齢者の親とは同居していないため、ジジ&ババの家に遊びに行ったり、老人ホームに面会に行くことを止めました。これにより、日常生活で高齢者や免疫低下者と濃厚に室内で接する機会(D,E)はなくなったので、子供たちが外に出ることをそれほど制限していません。A,Bの確率は極めて低く、移るとしても家族だけですので。
繰り返しになりますが、同居されているご家族構成など、各ご家庭の事情があると思いますので、どちらのリスクが大きいかのバランス感覚はそれぞれ違うはずです。

ただ、親という存在は、自分の子供が元気に健やかに成長するためのものだと考えておりますし、そもそも社会というものも、すべての子供が健全に育つことを最重要課題とするべきだと常日頃から考えています。子供たちがストレスを感じない環境を可能な限り作るのが大人の責務だとするならば、いま新型コロナの問題で守っているものってなんなのか?それを脅かしているのは本当に子供たちなのか?そのために子供が受けている犠牲はどれほどのものなのか?そのバランスは本当に正しいものなのか?

私は正直大きな疑念を持っています。もっと子供中心の政策にならないものかと・・・。

この子供たちが負わされた閉じ籠りというミッションによって、成長が疎外され、免疫が落ち、普通であれば発症すらしないはずのウィルスに身体が侵されるリスクが確実に上がっているような気がしています。この子供の免疫減退リスクこそ本当は最も避けるべきリスクなのではないかとすら考えています。

<4について> リスク回避策
トレーニング前後ならびにトレーニング中の感染防止のために下記の措置を取らせて頂きます。
(1)電車・バス等公共交通機関による通学はご遠慮下さい 
(2)ご高齢の方、免疫が下がっていると思われる方と同居し、濃厚接触が避けられない方のトレーニング参加はご遠慮ください。
(3)ご高齢のおじいちゃんおばあちゃんによる送迎はご遠慮下さい。
(4)保護者の皆様のグランド周辺でのトレーニング見学はご遠慮下さい
(5)練習前の検温、手指の洗浄消毒は徹底的に行います。37度以上の方のご参加はご連慮下さい。(低学年は平熱が高いこともあるのでご相談下さい)
(6)コーチによるトレーニング後のご挨拶とご説明は割愛させて頂きます。練習後にアプリで送ります。
(7)トレーニングメニューは、ソーシャルディスタンスを意識したサーキットトレーニングを多用します。
(8)トレーニング中のコーチからの説明は2m以上空けた上で、1分以内で終えるようにします。
(9)グランド外においては、マスクの着用をお願い致します。

先ほど整理したAB&DE(重症と死亡)の確率を、出来る範囲の中で少しでも下げる施策は徹底的に行います。

<5について> モラル教育
レアルマドリードスクールでは、サッカーだけでなく、人生に必要なValue(価値観)というものを子供たちに伝えることを非常に重視しています。
サッカースクールに参加することによって、いまこの瞬間だからこそ学ぶべきことをトレーニングの前後でお伝えしていきたいと思います。

<6について> 寄付、コーチの生活
これはスクール会員の皆様には直接関係ないことかもしれませんが、再開の理由のひとつとして現前とあるものですので、隠すことなく正直に書かせて頂きます。
本校は、日本の他のサッカースクールと異なり、スペインのレアルマドリード財団からのライセンスに基づいて運営しており、当然にしてライセンスフィーを送金しております。
レアルマドリード財団自体は非営利非課税団体で世界144か国の子供たちの支援を行っております。
私たちが送る資金は世界中の難しい課題を抱える世界のこども達の生活費、学習費として使って頂いております。

皆様ご承知の通り、スペインは日本とは比較にならない死者を出しており、その数は22000人を超えています(人口比も加味すると約210倍)。
また資金の性質上、私たちがこの送金をストップすることは、世界中の子供たちが今以上に苦しむことを意味します。

毎月およそ200万円(年間2500万円程度)を送金しております。日本も大変なことになっており、自分達のことで精一杯なのはその通りなのですが、可能な限りこの送金は守ってあげたいと考えています。
また、コーチ、スタッフの生活を守ることを考えなければなりません。
マスク販売のお知らせの際にも書きましたが、政府筋、専門家ともども、新型コロナの感染は少なくとも1年、場合によっては3年以上続き、このような不自由な自粛生活が繰り返されるという見解が出されました。
昨日、コーチ・スタッフにも伝えたのですが、このままダラダラと自粛と休業が続くようであれば、スクールを一旦無期限休止(解散)し、コロナ禍下(ころなかか)でも生活費を稼げる職業に移った方が良いのではと伝えました。
コーチたちはみなプロの選手と同じような契約形態になっているので、スクールの収入とコーチの報酬には相関関係があり、収入が減るとそれだけ報酬が減ってしまいます。
スクールの活動休止が続けば、コーチの無報酬が続くこととなるため、いま活況な職種(宅配とか?)に一刻も早く移籍した方が生活のリスクを軽減できるのです。

しかしながら、すべてのコーチの総意として、たとえ収入が大幅に減少したとしても、レアルスクールで出来る限りのことをやり続けたいとの見解を頂きました。
であれば、コーチたちの生活も出来る限り守ることを目指さなければなりません。

以上のように、再開を決断したのには、1~6の事由を総合的に判断してのものとなります。一つの理由ではありません。
無思考に陥って「感染リスク」からただただ逃げ回るのではなく、様々な情報を入手し、分析し、判断し、時には批判のリスクも受入れながら、子供たちの成長と免疫維持という行動に邁進しようということになりました。現状と同じレベルの緊急事態宣言が延長されたとしても、練習は再開致します。
もちろん、このメール配信後に、重傷化や死者数の状況が著しく悪化し、政府当局から現在よりも厳格な休業指示や活動禁止命令などが発令された場合は、当局に従うことは言うまでもありません。
その際には、新型コロナが終息するであろう1年~3年後まで、一旦解散という判断をさせて頂く可能性も御座います。

今回もまた大変長くなってしまいました。
次回から長い話は動画で語れ!というご提案もいただいておりますが、今回もまた文章になってしまいました。

5月7日からトレーニングが再開できるグランドと出来ないグランドが出るかもしれません。
その際は、必ず前日までに、どのグランドでトレーニングを行うのか具体的な運営方法をお知らせ致します。
横浜山手のYCACは公益社団法人、東京足立の六町も学校法人であるため、緊急事態宣言が延長となった場合、グランド使用が出来ない可能性が御座います。
たとえば、民間の八潮や千葉長柄しか使用できないといった場合には、それらの使用可能グランドを(可能なら)週7日すべて借り上げ、横浜山手や東京足立の皆様のトレーニングも実施できるよう、午前中から午後の時間帯も含めた新しいタイムテーブルを策定します。
おそらく緊急事態延長となれば学校も休校になるはずなので、午前から夕方まで、びっしりとトレーニングを設定しようと考えております。
(1カテゴリーあたりの人数は少人数を保持します)
もちろん、この実地の練習に参加できないスクール生向けに、オンライントレーニングも継続的に実施して参ります。
また、3月末まで導入しておりました『コロナ休会』(名義保存料無料)も復活致します。

今回の基本方針に対しては、様々なご批判を頂きそうですが、中長期的な視点にたって、子供たちの成長というものを第一に考えてみんなで出した結論で御座います。

何卒ご理解を頂けますようお願い申し上げます。
レアルマドリード・ファンデーション・フットボールスクール・ジャパン代表 増田稿平

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